水槽用クーラーのおすすめは?
水槽用クーラーは夏の暑さにも冬の寒さにも水温を一定に保ってくれる、アクアリストにとっては必需品ともいえる機材です。アクアリウムのベテランだけでなく、アクアリウム初心者にもぜひ使用して頂きたい機材でもあります。
ここではアクアリウムを始めたばかりの初心者の方にもわかるように、水槽用クーラーの種類や特徴、選び方、おすすめの機種などを解説しています。
夏は暑い!!!水槽用クーラーは必須?
地球温暖化のせいなのかここ数年の夏の暑さは異常ですね。最高気温が35度を超えるなど日常の出来事になってしまいました。
気温が上がれば水温も上がるのは当然のこと。私が家の水槽も気温の上昇と同様に水温もぐんぐん上昇、簡単に30度を超えてしまいます。そうなるといくら熱帯魚とはいわれていても高水温に耐えきれず体調を崩す個体が当然出てきます。そのとき必要になるのが「水槽用クラー」。
冬場に水温を上げるには水温コントローラー付きのヒーターを投入すれば良いのですが、水温を下げるとなるとクーラーを使う以外に方法がありません。
でも水槽用クーラーは値がはるので(大きさにもよりますが60cm水槽対応ですと大体3万円〜5万円くらい)購入するにもある種の覚悟がいりますね。
部屋を冷やすか水槽を冷やすか
今どきどこのご家庭でも夏場の暑さ対策に家庭用クーラーは設置されていますよね。水槽を設置している部屋にクーラーが設置してあるのなら、24時間動作で部屋ごと冷やすという手もあります。すでに実行されている方もたくさんおられるのではないですか。費用は電気代だけですし、何しろお手軽ですよね。
でも水槽1個冷やすのに部屋全体を続けて冷却するのはなんとなく気が引ける…、そうお思いの方にはやっぱり水槽用クラーがオススメです。
水槽用クーラーにはどんな種類があるの?
ひとくちに水槽用クラーラーといっても、機能や大きさはまちまちです。お使いの水槽のサイズに合ったものを選べば良いのですが、冷却方式には大きくきわけて2種類あります。
チラー式とペルチェ式に分かれます。
チラー式クラー(コンプレッサー式クーラー)
このチラー式クーラーは、ごく普通に使われている家庭用のエアコンや冷蔵庫と同方式です。
気体に高圧をかけてに圧縮すると高温を発し液体に変化しますが、この液化した気体が常圧に戻るときに、周りから熱を奪っていきます。これを潜熱といいます。エアコンに限らず、ほとんどの冷却(冷凍)装置はこの潜熱を応用しています。この性質を利用して水槽の水温を下げてくれるのが水槽用クーラーです。
チラー式水槽用クーラーは冷却能力が高く確実に水温を下げることができます。
価格面では高価な場合が多いものの、故障も少なく長期にわたって使用できます。また、冷却効率と消費電力を考えるとペルチェ式よりコストパフォーマンスが高いです。
デメリットとして本体サイズや稼働音が大きいことがあげられます。このため水槽台の中などに格納できる中・大型水槽に向いている傾向があります。
ペルチェ式クーラー
小型水槽用クーラーとされる1万円台の価格の水槽用クーラーはほとんどがこのペルチェ式と考えて良いでしょう。
ペルチェ式とは、ペルチェ素子に直流電流を流すことによって一方の面から他方の面に熱を移動させる効果のある熱電変換素子で、冷却と加熱及び温度制御を行うことができる半導体素子のことです。
ペルチェ素子の冷却する面に水槽の水を通過(接触)させることで水の熱エネルギーを奪い水温を下げることができます。
ペルチェ式の特徴として、稼働音が静かなので寝室など音に敏感な部屋にも置くことができるものの、冷却効率はチラー式水槽用クーラーには遠く及びません。これはペルチェ式水槽用クーラーのほとんどが小型水槽用であることからもおわかりいただけると思います。
水温を下げるというより今の水温を維持する保冷に向いているといえます。
小型水槽用の製品が多く、クーラーそのもののサイズも小さめで場所をとらず、その構造の単純さから価格も低めな製品が多く気軽に導入できるというメリットもあります。
ペルチェ式は以前に使用していたれいだん君やテトラのクールタワー CR-2を使用していた時期もありましたが、能力が低いのか「動いてる??」と思わず聞きたくなるような状況でした。
使用環境にも左右される向きもありますが、総じて冷却効果はあまり期待できないというのが感想ですね。
チラー式・ペルチェ式のメリット・デメリット
両方法とも水温を下げると利用目的は何でも変わりませんが、方式の違いからくるメリット・デメリットをまとめてみました。
チラー式水槽用クーラーのメリット・デメリット
メリット
- きちんとした使用方法を守れば安定して稼働し、設定した水温を確実に維持してくれます。
- 設定温度を中心として稼働・休止を繰り返すので思ったほど電気代はかかりません。
- 製品の寿命が長い。
デメリット
- 機構が複雑なため重く大型になりがちです。
- 機種にもよりますが、コンプレッサーの動作音が比較的に大きいことが多い。
- 製品価格は比較的高め。
ペルチェ式水槽用クーラーのメリット・デメリット
メリット
- 冷却原理から構造が簡単なので軽く比較的小さい。
- 構造が簡単なため比較的廉価な製品が多く導入のハードルが低い。
- 冷却自体は構造上無音。ただし冷却用ファンが付いていますので、その風切り音がうるさいとの口コミもちらほら見受けます。
デメリット
- 廃熱用のファンがあるため結構風切り音が起こる場合がある。
パソコン用の静音ファンに交換した強者もいるようです。 - 熱交換効率が悪いのでは冷却性能はあまり良くありません。
小型水槽用が主流です。(製品にも大型なものはなかったような…) - 熱交換効率が悪いので冷却性能の割に電気代が以外ととかかる。
チラー式とペルチェ式どっちがオススメ?
これはお使いの水槽サイズや濾過装置の状況などが関連してくるので一概にこれが良いとはいえませんが、個人的には少し高くもありますがチラー式をオススメします。
チラー式のクーラーはコンプレッサーの音がするものの冷却能力は高く、安定して水温を下げてくれます。
ペルチェ式も使ったことあります。小型水槽用のもので価格もそれなりに安いものの冷却能力はイマイチで、夏の暑い日などは連続動作になってしまったこともあり電気代が思いの外かかることも考えられます。
あまり使用する甲斐がないといった感じを受けるかもしれません。もっと冷やせよ!なんてね。
結論としては
- 小さな水槽でそこそこ冷えればよいから初期投資を抑えたければ「ペルチェ式」
- 初期投資は多少かかっても安定した冷却で安心したい場合は「チラー式」
と言ったところでしょうか。
おすすめの水槽用クーラーはどれ?
最近はいろいろなメーカーから大小様々な水槽用クーラーが発売されていますが、ここでは選択の前提として、一番多くの方が使用しているであろう60cm水槽に対応させる場合を考えて見ましょう。
第1位:テトラ クールパワーボックス CPX-75
オススメする理由
- 価格が手ごろ(
実売で3万円弱2021年4月では3〜4万円くらいになってました) - 故障知らず(個体差はあります)
- 充分な冷却能力
といったところ。故障知らずというのは実際に4年間使用した実績からきています。
ただし個人的には筐体のデザインが好きではありません。なんだかテトラの製品は安っぽく見えるんですよね。(個人的な感想ですけど)
第2位:GEX クールウェイ BK-C120
オススメする理由
- これも価格が手ごろ(実売で3万〜4万円程度)
- 充分な冷却能力
新型になっていますのでセンサーの耐久性も十分になっているものと思われます。
最近は本体が黒のみになったみたいですね
ですが、先にも書きましたように水温センサーに弱点があり、余計な維持費がかかることが欠点ですね。
当方はこのクーラー(1世代旧型です)を3台所有していますが、3台とも水温センサーの異常(たぶん漏水だと思います)で修理に出しています。
ただ、しばらく前より水温センサーの型が変わりましたので改善されているのかもしれません。
最近になって温度センサーの仕様が変わったようで、ちょっと大型になった新しいセンサーは従来のものより耐久性があるようで壊れにくくなっているようです。実際に交換してから2年以上故障していません。
第3位:ゼンスイ 高性能 水槽用クーラー ZC-100α
オススメする理由
- 充分な冷却能力
- 水温センサーがタンク内臓式
- 低消費電力(95W:50hz/112W:60hz)1ヶ月の電気代が600円弱とのこと
でユーザーからの評価も高い製品なのですが、上記2製品に比べて価格が高めなことが多いのが弱点かな。
第4位:ニッソー アクアクーラー スリム202
オススメする理由
- これも価格が手ごろ(実売で3万円弱)
- 充分な冷却能力
- 水温センサー内臓式
- ロータリーコンプレッサー搭載で高効率
これも廉価で良い製品なのですが、惜しむらくは「冷却専用」なところ。ヒーターを接続しての水温調整まではできないので、別にヒーターシステムを組まなければなりません。ちょっと面倒です。最悪の場合、温度設定次第ではクーラーが作動して水温を下げようとしているのにヒーターも作動して水温を上げようとしている…みたいな状況におちいる可能性もあります。そんな点もちょっと扱いにくいかなと思います。
第5位:小型水槽用クーラー ゼンスイ TEGARU テガルⅡ
小型水槽用に使いやすそうなペルチェ式クーラーが製品化されていたのでご紹介します。
テガルは〜40cm(35リットルまでの冷却・加温に対応した水槽用クーラーです。非常に小型(115×115×180mm)で置き場所に困りません。
テガルは小型水槽に最適ナ製品で、ヒーター機能も付いているので設置して希望温度に設定すれば即使えるといったお手軽さ。テガルという名前の通りですね。
オススメする理由
- 価格が手頃(23,000円位)
- 非常に小型
- 冷却・加温両対応
注意した方が良い点
冷却・加温ともに能力はそれほど高くはない。実際は使用条件にもよりますが30cmキューブ程度の水槽に対応するのが限界かと思われます。メーカーであるゼンスイのサイトの該当ページにも以下のような注意書きがあります。冷却というより水温維持・保冷くらいに考えた方がガッカリしなくて良いかもしれません。
※機械の特性上、冷却能力が外気温に左右されやすい機種になりますので、水温を一定に管理したい場合は、コンプレッサー式のZCシリーズ・ZRシリーズをご使用ください。
まとめ
おすすめの水槽用クーラーを紹介してきましたがいかがでしたか。
初期費用はかかるものの、暑さ寒さに関係なく水温を一定に保ってくれるのはとても安心感があります。ご使用の水槽の大きさに適応したクーラーを導入すれば夏の暑さもラクに乗り切ることができますよ。
水槽にも断熱材を取り付けましょう。
おまけですが、水槽用クーラーの性能を最大限に発揮させるには、というか負担を減らすには、水槽の周り(前面を除く)に断熱材を貼り付けることをおすすめします。
発泡スチロール板(100均やホームセンターで売っているやつ)がありますので、これを水槽のガラス面に貼り付け断熱することでクーラーの稼働時間を減らすことができます。ということは電気代も安くなるということになりますのでぜひ行ってみて下さい。
GEX GXCシリーズクーラーのセンサー交換方法
GEX水槽用のクーラーの泣き所、水温センサーの交換方法です。
交換方法等といっても自分でできるものではないのでメーカー修理になります。
以前、センサーだけ売ってくれないかと尋ねたところ断られたので(残念)他に方法はないです。
取扱説明書の裏表紙に記載してある「GEXサービスセンター」に電話をして予約ではないけど手配してもらってから、故障したクーラーをクロネコなどの宅送で送るという手順になります。
コールセンターによくある「なかなかつながらない状態」かもしれませんので、気長にかけてみましょう。
送り状の備考欄に「修理依頼 センサー異常」とでも記入して送れば直接配送しても大丈夫だと思います。(やったことないけど)
送り先は、大阪府東大阪市今米1-14-15 で間違いないと思いますが、念のため確認した方が良いかと思います。以前は山梨県だったんですけどね。
工場に到着すると程なく確認の電話があるはずです。後払いだからなのか「本当に修理しても良いのか」と念押しされますので、了解の旨伝えてあげて下さい。
修理完了後、請求書付で送り返してくれます。
修理費用ですが、往復の配送料も含めて1万円程度で済んでいます。
コメント